日本テレビ系列「24時間テレビ」のテーマソングと言えば今や定番曲となった加山雄三・谷村新司による「サライ」が有名な話。
かれこれ1992年に発売されてから22年間毎年流れ続けている曲で、誰しも一度は耳にした事があるだろう。
元々この曲が生まれたきっかけは1992年の第15回記念として、加山雄三がギターで作曲し全国の視聴者から寄せられた愛のメッセージを基に谷村新司が代表作詞としてとりまとめ、24時間以内にそれを一本の歌として制作しようという試みから始まった。
完成以後は毎年のように加山、谷村によるリードの元、全員で大合唱される。
CDの売上による印税の一部は、同番組のチャリティー募金に充てらカラオケで発生する著作権料の一部も、チャリティー基金に充てられている。
曲のテーマは「心のふるさと」であり、「サライ」という曲名はペルシア語「سرای」(サラーイ)から来ていて、直訳は「宿(または家)」。さらに本曲には「砂漠の中のオアシス」という意味も込められている。「宿(または家)」や「砂漠の中のオアシス」が、曲のテーマ「心のふるさと」に近いからタイトル名になったと日本テレビは説明している。
毎年24時間テレビが来るたびに売れているか?と言われるとそうでもない。
「サライ」は1992年11月16日に発売され、11月30日付で初登場20位だった。
その後13週ほどチャートインしたが、最高位は更新できず20位止まり、最終売上は13.2万枚という結果。
予想よりも低い売上に驚いたことだろう。
当時1992年はまだシングルCDが8cm型のものであり、テレビタイアップの付いた曲は飛ぶように売れた時代、そんなCDバブル期に発売されたにも関わらず10万枚前半での売上というのは意外である。
今から7年前の2007年に一度だけ「サライ」ではなく谷村自身が書き下ろした曲「勇気のカタチ〜私を変えてくれたあなたへ〜」がリリースされた。「24時間テレビ」30周年記念と、「サライ」誕生から15年という2つの節目を祝す意味合いで、15年ぶりに谷村新司(作詞)と加山雄三(作曲)のタッグで制作されが、TOP200内に1週だけ、116位にランクインされ姿を消した。売上枚数は734枚だった。
以後、この曲は24時間テレビでは使われていない1年限りの幻の曲となった。
やはり「サライ」は24時間テレビの顔であり、定着した楽曲を払拭するにはよほどのインパクトを与えなければ変わらない事がわかる。これからも毎年「サライ」がテレビから流れる事は間違いないだろう。