彼女の軌跡は1998年デビュー後、1999年でブレイクし、J-POP界の頂点を極めた。
近年こそセールス面で伸び悩んでいるが、彼女が残した実績は確かであったことには変わりない。
常に時代をリードするアイドルはその足跡を残している。
70年代の山口百恵から80年代は松田聖子に、90年代安室奈美恵、そして00年代には浜崎あゆみへとそのバトンは時代を追って託されてきた。
めでたくデビュー15年という活動の中でこれまであゆが残した実績をCD売上とともに振り返っていきたい。
◆浜崎あゆみに見るデビュー15周年の軌跡
さて早速ではあるが、本格的に「浜崎あゆみ」としてデビュー以前は女優としてもドラマ・映画に出演していた彼女。
1995年12月には「AYUMI」名義でこんなCDを発売していました。
■AYUMI「NOTHING FROM NOTHING」
発売日:1995年9月21日
累積売上:チャートインせず
そう、浜崎あゆみが初めてリリースしたAYUMI名義のCDシングルだ。
8cm盤は1995年9月、マキシとして同年12月に発売されたがTOP100内にはランクインしなかった。
ファンの間では幻のシングルと言われているほど希少な一枚である。
私も既に入手済であるが、浜崎あゆみでは聴けない新鮮なラップ調のサウンドが初々しい。
また1998年11月に発売されたavexのオムニバスアルバム「avex THE ALBUM」のトラック4に収録された浜崎あゆみ&m.c.A.T.による「A」はあゆがラップに挑戦しており、同作はまだ購入できるアルバムなので是非聴いてみてもらいたい。
同作はアルバムにも収録されていない貴重な1曲である。
さて、トータルセールス面ではさすが歴代アーティストセールスでは3位という実績の持ち主。
世紀末から00年代前期を盛り上げた時代を代表するアーティストである。
その累積売上は5000万枚を超える。
その内訳を見てみよう。
■トータルセールス:5034.3万枚
シングルセールス:2141.4万枚
アルバムセールス:2892.9万枚
凄まじい記録ですね。
1位記録はどうなっているのでしょう。
■1位獲得数
シングル:37作/アルバム:20作
■TOP10獲得数
シングル:48作/アルバム:45作
もう少しで50作を越えますね。
シングル自体のリリースは直近で2010年9月から2年7ヶ月発表されていないだけにこの期間に数枚シングルをリリースしていたら記録はさらに更新されたわけですが・・・。
■デビュー曲
タイトル:「Poker face」
発売日:1998年4月8日
累積売上:4.3万枚/最高位20位
初動売上:1.1万枚/初登場20位
TOP100内:6週
記念すべきデビューシングル、透き通る高温が初々しい。初登場、最高位ともに20位、avexの新人としてはまずまずのスタートではないでしょうか。
3rdシングル「Trust」で念願のTOP10入り、翌年4月リリースの7thシングル「LOVE〜Destiny〜」ではドラマ主題歌として起用され初登場1位を獲得しましたね。カップリング曲でシャ乱Qのつんくとのデュエットも話題となりました。
同年「AUBE」CFソングとして「Boys & Girls」では遂にミリオンセラー達成となり、見事女王の座を手にすることが出来たんです。
シングルミリオンの前に99年1月発売のデビューアルバム「A Song for xxx」で既に5週連続1位、ミリオンセラーと基礎作りは完成いただけにブレイクにはそう時間がかからなかったのです。
セールス面に目を向けてみましょう。
■シングルセールスTOP10■
1位/163.1万枚/A(monochrome)/最高位1位/1999年
2位/136.7万枚/SEASONS/最高位1位/2000年
3位/131.9万枚/M/最高位1位/2000年
4位/103.8万枚/Boys & Girls/最高位1位/1999年
5位/101.3万枚/H(independent)/最高位1位/2002年
6位/95.5万枚/evolution/最高位1位/2001年
7位/76.9万枚/Endless sorrow/最高位1位/2001年
8位/75.7万枚/NEVER EVER/最高位1位/2001年
9位/75.0万枚/Dearest/最高位1位/2001年
10位/57.1万枚/UNITE!/最高位1位/2001年
代表作シングル10作を見るとお気づきの方も多いと思うが、絶頂期に発売した1999年〜2001年の作品のみで構成されているという内容。
唯一10作の中に2002年リリースの「H」がランクインしているが、それ以外は上記の期間に発売されたタイトルばかり。
いかにこの3年間があゆのピーク期であったかを物語っています。
2002年以降は50万枚を下回り、30万枚台から20万枚台へ、直近のシングルでは10万枚に満たないというピーク期の1割程度しか売れていない。こうしたCDが売れない背景はCDを買わずとも簡単にボタン一つで購入出来てしまうダウンロード産業の活発化がますます若者層のCD離れを加速させてしまっているのだろう。
しかしながらシングルにおいては2002年の32thシングル「Free & Easy」から56thシングル「L」まで25作連続初登場1位とセールス面は低下してもなおその記録は更新されているのだから人気は根強い。
アルバム面ではどうだろうか。
■アルバムセールスTOP10■
1位/429.4万枚/A BEST/最高位1位/2001年
2位/290.4万枚/Duty/最高位1位/2000年
3位/256.2万枚/LOVEppears/最高位1位/1999年
4位/230.8万枚/I am.../最高位1位/2002年
5位/185.8万枚/RAINBOW/最高位1位/2002年
6位/145.2万枚/A Song for xxx/最高位1位/1999年
7位/113.2万枚/MY STORY/最高位1位/2004年
8位/106.3万枚/Memorial Address/最高位1位/2003年
9位/92.4万枚/A BALLADS/最高位1位/2003年
10位/87.7万枚/(miss)understood/最高位1位/2006年
文句なしのベストが断トツのトップです。
忘れもしません、2001年のトップニュースともいえる宇多田ヒカルとの同時発売合戦。
01年4/9付で「A BEST」が初動売上287.5万枚を記録した際にまさかの初登場2位。
対する1位の宇多田ヒカル「Distance」はオリジナルアルバムながら驚異の初動300.3万枚を売り上げあゆのベストを負かせたという大記録がある。これは45年間あるオリコンの歴史の中でも2度と見られない歴代高得点対決としてこの先も破られることはないだろう。
オリジナルアルバム最高売上は「Duty」の290万枚、まさに上記の代表作シングルを見てわかるようにピーク最大期の2000年に発売された本作、大ヒットシングルもぎっしり詰まった最高傑作といえる作品だろう。
個人的には1stアルバムが最高傑作なんですけどね。
上記で触れた初動売上、さてあゆの最も初週に売れた作品は何だったのでしょう。
■シングル初動売上部門■
1位 55.3万枚 SEASONS
3位 54.1万枚 M
3位 50.9万枚 A(monochrome)
4位 50.3万枚 evolution
5位 43.0万枚 Endless sorrow
6位 42.3万枚 NEVER EVER
7位 41.8万枚 H(independent)
8位 36.6万枚 UNITE!
9位 36.4万枚 Dearest
10位 35.2万枚 vogue
さすが初動50万枚以上の記録が4作品、最新作シングル「L」の初動売上が7.1万枚であるからして、ピーク期の12.7%。
1割程度の売上減少には15年という月日を感じてしまいます。
■アルバム初動売上部門■
1位 287.5万枚 A BEST
2位 175.1万枚 I am...
3位 168.3万枚 Duty
4位 120.2万枚 LOVEppears
5位 101.7万枚 RAINBOW
6位 65.4万枚 (miss)understood
7位 57.4万枚 MY STORY
8位 56.1万枚 A BALLADS
9位 54.8万枚 A Song for XXX
10位 53.9万枚 A COMPLETE〜ALL SINGLES〜
素晴らしい!ダブルミリオン初動も凄まじいですが、2位以下の初動ミリオン作品。
オリジナルアルバムでの初動ミリオンはその人気を表していますね。
08年のオリジナルアルバム「GUILTY」で惜しくも初登場2位とそれまでオリジナル作品連続1位記録が途絶えてしまったが、その際の初動も43.2万枚と決して低い売上ではなかった。
これも運によるもの、いつかは破られてしまう連続記録。
ちなみに今年2月に発売されたオリジナルアルバム「LOVE again」の初動売上は5.3万枚で初登場1位。
オリジナルピークの「Duty」の初動比較すると僅か3%という結果。
ここまでピーク期の差があると絶頂期を知っていたファンにとっては複雑な心境かも知れませんね。
人気はCD売上だけじゃない!その通りですが、今年15周年を機に再びメディアへの露出機会を増やし再び女王君臨する時代がやって来るのだろうか。
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