ミリオンセラー、ここ数年の作品では「短期集中型」ヒットでミリオン作品も最速で達成する事が多いですね。
とはいっても今となってはミリオン全盛期に比べミリオン自体がとても珍しいものとなってしまっています。
時間をかけて長く売れ続ける、そしていつしかその作品はミリオンセラーに!
これがミリオンの理想型ですね。最速で達成してしまうのもひとつの武器ですが、チャートから消えてしまう時間が早い分、人々の記憶に残りづらいのも一つの弱点です。
やはり半年、1年と時間をかけてジワジワと売れ続けた作品こそ真のミリオンセラーなのではないかと作品を見ていると私自身思ってしまう。
「ミリオン作品=ヒットチャート上位獲得作品」
そんな事はないんです。1位を獲らずともミリオンセラーになった作品は幾つもあります。
またTOP3に入らずともミリオン達成作品はあるのです。
いかにその作品がロングセラーになったか、そこが決め手なのではないだろうか。
1位を獲得しても、すぐに落下してしまう作品もあれば、何週も一定期間ある程度の順位をキープして売れ続ければ1位を獲得してすぐに落下してしまう作品売上など追い越してしまう。
ここ最近のヒットチャートの傾向は全てにおいて「短期集中型」であり、初動売上が全体売上に対して80%程度を占めてしまうというのは以前にも綴った通りだが、発売1週目でどれだけ売れるか?そこだけが重視され続けているためにロングセラーは生まれない、だからミリオンセラーは生まれない、と悪循環を辿る一方なのだ。
今回取り上げるのは「最高位がTOP10外でもミリオンセラー」になった作品をPICK UPしたい。
なんとも驚くべく記録であるが、TOP10に入らなくてもミリオン達成という快挙を成し遂げたのはこれまでの歴史の中で2作品あります。
1枚目を紹介します。
有名ですよね。
B'z/BAD COMMUNICATION
発売日:1989年10月21日
初登場:15位(1989.10/30付)
最高位:12位(1991.1/28付到達)
初動売上:0.9万枚
最高週間売上:2.4万枚(1991.1/14付)
累積売上:118.2万枚
TOP100内:163週
B'zにとって「OFF THE LOCK」に続く3枚目のアルバム(ミニアルバム第1弾)である。
本作の発売と同時に積極的なプロモーション活動を始め、ブレイクのきっかけを作った。しかし、収録曲が7分を超えていること、メンバーにとって遊び心や実験的な試みとしてリリースしたものであったため、松本孝弘は本作がヒットするとは全く思っていなかったらしい。
1stアルバム、2ndアルバムがまるでヒットしなかったため、3rdアルバムで勝負をかけるための布石だったと語っている
自身の複雑な感情とは裏腹に、90年度アルバム年間29位、91年度年間26位、92年度 年間87位と3年連続アルバム年間TOP100にランクインする快挙を成し遂げた。さらに翌年93年度は年間237位にランクインし、実に発売から4年間売れ続けたアルバムである。
初登場は15位、B'zが初めてTOP100内にランクインした作品である。1st、2ndアルバム、シングルはともにTOP100内にランクインしなかったという意外な結果にはファンも驚きだろう。
初登場後、年末にはTOP50外に落下するも。年明けの90年2月に4thシングル「BE THERE」でブレイクと同時にジワジワと売れ続けた。
最高位は発売から1年4か月後の91.1/28、登場66週目にして最高位12位を達成、その後もTOP50内をキープしながら92.3/9、登場123週目で100万枚を突破する。
ミリオンまでに発売から2年半、フルアルバムではなく、ミニアルバムがここまでロングヒットするのは異例であるうえに、最高位12位でのミリオン達成。
実にTOP50内に99週間ランクインしており、3年連続で年間アルバムチャートにランクインするのも頷ける結果である。
また本作は公式に「ミニアルバム」と表記されているが、日本レコード協会によれば曲の少なさ(収録曲4曲)から「12cmシングル」扱いとされており、国内初の「12cmシングル」ミリオン達成作品となっている。
表題曲の「BAD COMMUNICATION」はB'zの中でも上位に位置するロックダンスナンバー。
まだTMNに近いダンスサウンド色が強いが、初期のB'zのナンバーの中でもお気に入りの1曲だ。
そしてもう1枚はこちら。
これまた有名なアルバムですね。
Mr.Children/KIND OF LOVE
発売日:1992年12月1日
初登場:45位(1992.12/14付)
最高位:13位(1995.2/20付到達)
初動売上:0.8万枚
最高週間売上:3.8万枚(1995.1/16付)
累積売上:117.7万枚
TOP100内:158週
Mr.Childrenの名作がたっぷり詰まった2ndアルバム。
まだブレイク前の作品で、発売当初は一部のファンしか知らず、92年は「ミスチル」という認知度がなかったんですよね。
93年6月の3rdシングル「Replay」がグリコ「ポッキー」のCMソングに起用されて耳にするようになり、同年11月の「CROSS ROAD」でドラマ「同窓会」主題歌としてミリオンセラーとなりました。
初登場は45位、僅か2週間でTOP100から落下してしまいます。翌年の3rdシングルのスマッシュヒットで99位に再浮上するが3週でTOP100から姿を消す。「CROSS ROAD」の大ヒットを受け94.1/3に67位に再浮上、94.9/12には43位まで上昇するも一旦下降する。同年9月にブレイク初となるアルバム「Atomic Heart」が大ヒットする中、静かに本作は水面下で売れ続けた。
95.1/2には30位まで上昇し、そこから21位→16位→15位→17位→21位→13位と登場から65週目で最高位13位に到達する。
発売から3年5か月、登場から119週目にして100万枚を突破した。
アルバムでは94年度年間52位、95年度年間37位、96年度130位、97年度年間211位と4年間売れ続けたアルバムだ。
収録曲はドラマ「若者のすべて」で挿入歌として起用された「星になれたら」やファンの中でも人気の高い2ndシングル「抱きしめたい」は最高。
「虹の彼方へ」や「BLUE」など「車の中でかくれてキスをしよう」など名曲も多い。
2作品とも最高位がTOP10外であっても立派な名作である。
アーティストトータルセールス部門でも歴代1位のB'z、2位のMr.Childrenがこの記録を達成したのも偶然か?
やはり実力派アーティストによる記録には凄まじいものがありますね。
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