2013年02月20日

AKB48「So long!」の初日売上に見る今後の傾向値・・・nammyblog vol.28

AKB48「So long」.jpg

メジャー30枚目となるAKB48のシングル「So long」の初日売上が発表されました。
もはや今の音楽シーンのアイドルグループでAKB48のセールスに敵うものは居ませんね。

今回の曲は「DoCoMo」のCFソングで大量オンエアされており、テレビで耳にする人は多いでしょう。
「卒業」をテーマにした春らしい良い曲に仕上がっています。

桜ソングは昨年の「桜の木になろう」以来、初のセンターを務める次世代エース渡辺麻友の注目曲!

さてその気になる初日売上枚数は81.8万枚でした。
前作「永遠プレッシャー」は初日84.0万枚、97.3%、マイナス22万枚でのスタートとなった。
AKB48シングルの中では2年前の2009年2月「桜の木になろう」以来の低スタート。
前田敦子最後のシングルとなった2012年5月の「真夏のSounds good!」での初日117.1万枚をピークに以降のシングルは徐々に売上枚数は下降傾向へ。
今でも80万枚を超える数字は十分立派であるが、「脱・前田敦子」のAKBにとってまさに今後の傾向を大きく左右する2013年。


AKB48のデイリーチャートにおけるシングル売上をまとめてみました。
デイリーチャートで売上枚数が公表された2009年以降のデータとなります。
下記の票を見ていただくと一般報道などで流れている「快挙や記録更新」とは別の視点でAKBの現実態と今後の作品推移などが見えてきます。


◆「10年桜」以降に見るシングル初日売上とその全体的シェア

(2013年2月18日付現在調べ)

枚数/タイトル/初日売上/週間に対する初日比率/初週売上/累積売上に対する初週比率/累積売上/最高位)

11th 10年桜(初日2.9万枚/43.2%/6.6万枚/53.1%/12.5万枚/3位)
12th 涙サプライズ!(初日4.1万枚/39.4%/10.4万枚/61.7%/14.6万枚/2位)
13th 言い訳Maybe(初日5.7万枚/63.3%/9.1万枚/62.3%/14.6万枚/2位)
14th RIVER(初日8.8万枚/49.2%/17.9万枚/68.5%/26.1万枚/1位
15th 桜の栞(初日23.0万枚/72.2%/31.8万枚/78.5%/40.5万枚/1位)
16th ポニーテールとシュシュ(初日35.4万枚/69.0%/51.3万枚/69.4%/74.0万枚/1位)
17th ヘビーローテーション(初日34.0万枚/64.6%/52.7万枚/59.9%/88.1万枚/1位)
18th Beginner(初日56.8万枚/68.7%/82.7万枚/79.6%/108.2万枚
/1位)
19th チャンスの順番(初日47.1万枚/79.0%/59.7万枚/86.0%/69.4万枚/1位)
20th 桜の木になろう(初日65.5万枚/69.5%/94.2万枚/87.1%/104.0万枚/1位)
21th Everyday、カチューシャ(94.2万枚
/75.7%/133.4万枚/83.3%/160.8万枚/1位)
22th フライングゲット(
初日102.6万枚/75.7%/135.4万枚/83.3%/162.6万枚/1位)
23th 風は吹いている(初日104.6万枚/80.4%/130.0万枚/89.3%/145.7万枚/1位)
24th 上からマリコ(初日95.9万枚/80.0%/119.9万枚/
91.9%/130.5万枚/1位)
25th GIVE ME FIVE(初日96.7万枚/76.7%/128.7万枚/89.6%/143.7万枚/1位)
26th 真夏のSounds good!(初日117.1万枚/72.4%/161.7万枚/88.7%/182.2万枚/1位)
27th ギンガムチェック(初日90.7万枚/76.7%/118.2万枚/89.9%/131.4万枚/1位)
28th UZA(初日88.5万枚/78.4%/112.9万枚/89.9%/125.6万枚/1位)
29th 永遠プレッシャー(初日84.0万枚/78.3%/107.3万枚/89.8%/119.6万枚/1位)
30th So long!(初日81.8万枚/???)



まずは赤文字に注目してもらいたい。

2009年10月に14枚目のシングル「RIVER」で初めて週間1位を獲得しました。
デビューから3年8か月、念願の1位です。
今から3年半前で初日売上は8.8万枚、週間で17.9万枚を売り上げていますが、アイドルグループであればこの数字は信憑性がありますね。この時点から劇場盤や通常盤など複数形態のリリースは行っていたためどこまでが真実の数字なのかは判断が難しいですけどね。
初期から支え続けたファンが買い続けた結果ですね。
初日売上が週間売上に対するシェア率は49.2%、新譜CDは火曜日に店着初日の売上としてカウントされますが、水曜日から日曜日までの売上枚数比率が今よりも約30%少ない。言うならば初日に大量購入するファンもまだ限られた人数に過ぎなかった事が推察されます。

それから1年、2010年10月の18枚目シングル「Beginner」で累積売上が103.9万枚と初のミリオンセラーを達成します。
初日の売上は47.1万枚、僅か1年で2009年の「RIVER」(初日8.8万枚)に対し約4.4倍の伸び幅、この要因は2010年マスコミもテレビ中継で話題となった「第2回AKB総選挙」効果で一気に一般ユーザーのファン層が広まった事。
「投票券」を封入した16thシングル「ポニーテールとシュシュ」は週間で51.3万枚という好スタートを切り、そして総選挙で見事前田敦子からセンターの座を奪還した大島優子による17thシングル「ヘビーローテーション」はこれまでのAKBファンだけでなく、若者たちが歌えるメロディーキャッチでカラオケでも大人気となり、AKBの代表作品としての認識力が一番高い曲ではないだろうか。
その人気後押しもあり、ファンの大幅増加により翌シングル「Beginner」へのミリオンヒットへ繋がったんではないかと思われる。

2011年5月、21thシングル「Everyday、カチューシャ」では遂に週間売上で133.4万枚を売り上げミリオンスタートを切る。
これは「第3回AKB総選挙」の特典投票券付シングルであり、ファンもマスコミも一気に盛り上がりを見せる。
投票期間2週間以内に売り上げた145.3万枚のうち、総投票数は116万6245票!
投票率は驚異の78%、うちCD封入の投票は779,090票であり、正味特典付CDを購入したユーザーも投票しなかった数は67.4万枚という計算になる。
一人で何百枚も購入して票を投じるなどニュースでも話題となり、どこまでもAKB48の実態売上を掴むのは、人気が出れば出るほど困難であると痛感したが、この結果を見ると67万人は一般ユーザーであるという背景も見えてくる。

第3回総選挙で再びセンターを勝ち取った前田敦子を筆頭に22thシングル「フライングゲット」は初のデイリーチャート初日で102.6万枚を売り上げる。週間では135.4万枚とこの時点では歴代週間最高売上記録を更新した。

2011年12月、第2回じゃんけん大会で優勝を勝ち取った篠田麻里子をセンターに24thシングル「上からマリコ」をリリース。
遂に週間売上が累積売上に対し90%を超える割合を占め、「AKBの曲は発売1週目だけしか売れない」というロングセラーとはかけ離れた「短期集中型ヒット」の典型的な代名詞になった。

2012年3月に発表された前田敦子の最後のシングルと同時に「第4回AKB総選挙」投票券を封入した26thシングル「真夏のSound good!」はAKB史上最高の売上を記録した。
初日117.1万枚、週間161.7万枚。
第4回総選挙は前田敦子不在ながら総投票数は138万4122票。前年度の116万6245票に対して118.6%(+217,877票)という伸び率を見せた。
往年の「前田VS大島」ではなく、次世代エースを狙う若いメンバーがへの投票がメインとなっている。
結果、1位は大島優子の108,337票であったが、前年度の投票数122,843票に対しマイナス14506票という結果と、前年度の前田票が他メンバーへ移動した結果として読み取れる。
第4回総選挙期間中のCD売上枚数は2週間で174.5万枚、前年度は同期間で145.3万枚とその差は29.2万枚、うちCD特典による投票数は893,738票でありCD投票券の数は前年比+14.7%(114,648票)と伸びた。
無投票の数字が85.1万枚という数字から全体の売上を差し引くと特典優先の「劇場盤」が圧倒的なシェアを占めており、通常盤で見る売上はミリオン達成に届いていないことが証明できる。

皮肉にも絶対的エース前田敦子の脱退後、シングルセールスは票を見てわかる通り徐々に下降傾向にあるのがわかるだろう。
直近3作品「ギンガムチェック」以降のシングルの初日に占めるシェアは平均77.8%、これを単純に計算すれば「So long!」の初登場週間売上は105.1万枚である。
そして累積売上に対して初週に占めるシェアは89.9%であり、「So long!」の売上は117.0万枚前後に落ち着くと予測出来る。


次作以降のシングルも恐らく5月に発売するであろう総選挙投票券シングルはミリオン安泰であろうが、下半期以降のミリオン達成は次第に厳しくなってくるだろう。そして初期メンバーから次世代への世代交代もありファンの増減も踏まえ2014年には現状の7割程度に落ち込む傾向にある。過去のアイドルブームを見ていても、いつまでもアイドルにかける膨大な金銭感覚はいつまでも続かないだろうし、現状の商法に疑問を抱くユーザーも多い。そしてアイドル戦国時代の中で次世代グループ「ももいろクローバーZ」や「私立恵比寿中学」「SUPER☆GiRLS」などが着々と人気を得ており、いつ逆転現象が起きても不思議ではない。

姉妹グループのSKE48、NMB48も好調傾向にあるが、2014年にはAKBとSKEがそう差のない売上枚数に並ぶのではないかと感じる。その売上数字は70万〜80万枚台でだ。AKB48の人気に陰りが見えるとき、それは「ミリオンセラーに達さなかったとき」である。
そこからは一気に駆け上がった時間と同じ様に衰退するスピードも計り知れない。
そのすべてのブーム終焉は2015年なのかなぁと個人的な感想である。
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posted by nammy at 21:58| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 今週のヒットチャート編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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