1968年から始まったオリコンチャート、そんな膨大なデータの中から「ヒットチャート初めて物語」として少しずつ取り上げていきたいと思います。
ヒットチャート初めて物語@
http://nammyblog.seesaa.net/article/322038188.html
今回は42年の歴史ある「アルバムチャート」よりこれまでの売上更新推移を振り返ってみたいと思います。
さて、アルバムでの歴代最高売上は宇多田ヒカルの「First Love」だというのは過去の記事でも紹介したとおりです。
その売上更新に至るまでに様々なチャート合戦が繰り広げられてきました。
そんなアルバム頂点が入れ替わるまでの歴史を記録しておきたい。
これを見ればこれまでのアルバムの更新推移がわかります。
◆アルバムチャートに見る歴代売上更新推移
(調査対象期間:1970年1/5〜)
まず国内で初めてミリオンセラーを記録した作品。
歴代更新達成日:1975年6月30日(週間売上1.0万枚/週間4位/累積売上100.3万枚)
井上陽水「氷の世界」
累積売上:138.9万枚/最高位1位
不滅の名作ですね。なんと35週1位!
しかも112週もの間TOP10内にランクインし続けたという歴代最長記録を持つ作品なんです。
1974年度、1975年度と2年連続で年間LPチャートで1位を獲得しています。
詳しくは下記をご覧くださいね。
http://nammyblog.seesaa.net/article/319274662.html
歴代更新達成日:1981年
寺尾 聰「リフレクションズ」
累積売上:164.6万枚/最高位1位(内訳:LP 114.8万枚/カセット 49.9万本)
1981年に遂にそれまで記録していた「氷の世界」を抜き歴代トップに躍り出ました。
アルバム収録のシングル「ルビーの指環」も134.0万枚を売り上げアルバムと共にミリオンセラーを記録しました。
ジャンル別でみると井上陽水の「氷の世界」はLP単体では超えていませんが、カセットとの合算売上で見ると歴代トップはこの作品が6年ぶりに最高売上を記録した事になりますね。
1981年度のシングル、LP、カセットともに3部門で年間制覇を達成しています。
ちなみに国内で累積150万枚を突破した作品でもある。
歴代更新達成日:1991年1月14日(週間売上14.2万枚/週間順位2位/累積売上172.7万枚)
松任谷由実「天国のドア」
累積売上:197.5万枚/最高位1位
女王ユーミンが10年ぶりに80年代の最高売上「リフレクション」を抜き歴代トップへ。
この時点で3作連続ミリオンセラーとなりミリオン街道を切り開いたともいえる。
収録曲全てがアルバムオリジナルという異例な内容にも関わらず、シングル以外にも名曲を沢山持つ彼女ならではの快挙だろう。
歴代更新達成日:1992年1月13日(週間売上11.0万枚/週間順位6位/累積売上202.2万枚)
CHAGE & ASKA「TREE」
累積売上:235.0万枚/最高位1位
ここで遂に200万枚を初めて超えました。
アルバムチャート開始から21年、アルバム黄金時代が到来します。
僅か1年で歴代トップの交代・・・
やはり91年にメガヒットした「SAY YES」の効果が全面的に反映されたチャゲアスを代表する作品ですね。
歴代更新達成日:1992年7月27日(週間売上2.0万枚/週間順位11位/累積売上235.8万枚)
CHAGE & ASKA「スーパーベストU」
累積売上:258.1万枚/最高位1位
お見事。自身が記録した歴代記録を僅か7ヶ月で更新してしまいましたね。
チャゲアス無敵のベストアルバム。これを機にチャゲアスファンになった人も多いでしょうね。
「SAY YES」以外にも「LOVE SONG」「モーニングムーン」「恋人はワイン色」「僕はこの瞳で嘘をつく」などヒット作品満載
文句なしの1992年度アルバム年間1位作品。
歴代更新達成日:1993年2月1日(週間売上5.6万枚/週間順位6位/累積売上261.4万枚)
ドリームズ・カム・トゥルー「The Swinging Star」
累積売上:322.7万枚/最高位1位
国内アルバム初の300万枚快挙!
チャゲアスの258万枚を軽く超え、その売上枚数は322万枚に達しました。
しかし1970年〜1990年までは僅か交代劇が2回しかなかったのに対し、91年のユーミンの更新を機に2年で次々と歴代トップの入れ替わり。いかにアルバムに勢いが出始めた年代という事ですね。
既にダブルミリオンセラーを記録していたアルバム「MILLION KISSES」やロングセラー「LOVE GOES ON...」など後押しとミリオンヒット「決戦は金曜日」を収録した待望の新作でもありました。
その勢いは当時誰にも止められなかったんですね。
シングル以外にも名曲揃いの1枚です。
歴代更新達成日:1995年9月25日(週間売上1.万枚/週間順位23位/累積売上322.7万枚)
Mr.Children「Atomic Heart」
累積売上:343.0万枚/最高位1位
2年半という短い期間でまた歴代トップが入れ替わった。
これはアルバムの限界数値を遥かに上回った結果。累積343万枚とシングルを含んでも「およげ!たいやきくん」に次ぐ総合歴代2位に位置する記録を樹立した。
2曲のミリオンシングル「innocent world」「CROSS ROAD」ほかカラオケなどでも親しみ深い「Over」はまさに名曲!!
1994年度年間3位、1995年度年間6位と2年に渡り売れ続けたMr.Children最高売上作品。
歴代更新達成日:1996年6月3日(週間売上6.5万枚/週間順位4位/累積売上343.0万枚)
globe「globe」
累積売上:413.6万枚/最高位1位
なんと!アルバムでは前人未到だった400万枚の壁を越えたっ!!
TKブームの凄まじさを肌で感じる作品だったな。
初登場、2週目と週間で2週連続ミリオンを売り上げたのもこの作品が初の記録でした。
2週続けてミリオンってなかなか出来る事じゃないし、TKブームも一種のバブルみたいなものだったけど、あれから17年経過してこのアルバムを改めて聴いてみるとその完成度は素晴らしいの一言。
やはり小室哲哉は天才だ。同年にはシングル「DEPARTURES」も200万枚を超えメガヒット時代の真っ只中でしたね。
歴代更新達成日:1998年2月16日(週間売上3.5万枚/週間順位8位/累積売上414.9万枚)
GLAY「REVIEW〜THE BEST OF GLAY〜」
累積売上:487.6万枚/最高位1位
週間売上初動で歴代トップの200万枚を突破、その累積売上はglobeを超えた。
487万枚という当時では前人未到の数字は歴代最強と言われたシングル「およげ!たいやきくん」の記録を超え話題にもなりました。
同年にシングル「口唇」「HOWEVER」でブレイクした直後のベストアルバムであり、新たなユーザーがこのベストアルバムを手に取り最終的なヒットに繋がった。ブレイク前の曲の良さを再認識させられた1枚である。
若者たちは皆GLAYを聴きまくった時代。
歴代更新達成日:1998年7月20日(週間売上6.2万枚/週間順位9位/累積売上454.4万枚)
B'z「B'z The Best "Pleasure"」
累積売上:513.3万枚/最高位1位
B'z最強のベストアルバム!まさかこれ以上の更新はないだろうと思っていた。
国内初の500万枚突破という偉業を成し遂げたB'zはまさに日本を代表するロックグループだ。
GLAYが歴代トップを記録して7か月、短命ながらB'zが歴史のトップに立った。
説明不要のミリオンシングルのオンパレード、どれを聴いてもハズレはありませんね。
こういうのを最強のベストと言うんでしょう。
同年9月に発売したベスト第2弾「B'z The Best "Treasure”」も443.9万枚を記録し、2枚のベストアルバムは956万枚を売り上げた。
たった2枚のアルバムで950万枚、どんなに頑張ってもトータルセールスでこの数字を達成できないアーティストは山ほどいます。
そう考えると恐ろしい記録ですね。
歴代更新達成日:1999年5月10日(週間売上23.8万枚/週間順位2位/累積売上523.9万枚)
宇多田ヒカル「First Love」
累積売上:765.0万枚/最高位1位
もうこんな記録一生無理です(笑)
B'zが樹立した500万枚が歴代最強だと信じていました。
1999年のチャートを見るまでは・・・・・。
何でしょう、765万枚って???
というくらいにチャートマニアにとって衝撃が走った結果ではないでしょうか。
筆者も若干16歳の少女が初動から200万枚超えのスタートで、ここまで売れるとは思ってもいませんでした。
ヒットの兆候はシングル「Automatic」で立証してましたが、まさかここまでとは誰も想像できなかったはずです。
レコード会社も追加プレスに追われ、2週目以降の多くのユーザーが「First Love」を求めて購入した積み重ねが700万枚超えという数字を生み出したのでしょう。
アルバムの成長期は99年をピークに衰退傾向ですが、この記録から早13年、いつの日かこのモンスターアルバムを超える天才は出現するのだろうか。