まずは80年代アイドル対決に触れてみたいと思います。
80年代を代表する女性アイドルといえば松田聖子と中森明菜が浮かびますね。
両者のトータルセールスは12年12月末現在では松田聖子が2984万枚、中森明菜が2534万枚である。
その差は450万枚、今のアイドルと違ってその勢いが凄まじく、歌唱力にも長けてましたね。
いろんな角度から両者を比較してみたい。
松田聖子は1980年4月1日にシングル「裸足の季節」でデビュー。
デビューシングルの売上は28.3万枚、最高位は12位であった。
初の1位は80.10/13に3枚目のシングル「風は秋色」で獲得、デビューから半年での達成となった。
5週連続1位となり、以後26枚目のシングル「旅立ちはフリージア」までの24作品連続で1位を獲得する人気ぶりを証明した。96年には「あなたに逢いたくて」が1位獲得、ミリオンセラーとなりシングルでは25作品の1位獲得経歴を持つ。
当時の人気の高さを端的に示す言葉としては「聖子ちゃんカット」と「ぶりっ子」が挙げられる。聖子ちゃんカットとはその名の通り、彼女の髪型を真似た髪型であり当時の若い女性の間で大流行した。「ぶりっ子」とは、当時の人気漫才コンビの春やすこ・けいこや山田邦子が、聖子が意識的に自分をかわいく見せようとしていることをからかった言葉であり、当時の流行語にまでなった。
一方中森明菜は1982年5月1日にシングル「スローモーション」でデビュー。
デビューシングルの売上は17.4万枚、最高位は30位であった。
初の1位は3枚目のシングル「セカンド・ラブ」82.11/29で獲得、デビューから聖子と同じく半年での達成となった。
3週連続を2度繰り返し合計で6週の1位に輝いた明菜最大のヒット曲である。
デビュー当時の明菜のキャッチフレーズは、「ちょっとエッチな美新人娘(ミルキーっこ)」であった。
「花の82年組」と呼ばれるほどアイドルデビューが豊富で、同期には小泉今日子、石川秀美、三田寛子、早見優、シブがき隊などがいる。
さてカテゴリ別でみてみよう。
「松田聖子と中森明菜にみるチャート合戦」
◆トータルセールス編/シングルセールス/アルバムセールス
松田聖子:2984.4万枚/1552.1万枚/1432.3万枚
中森明菜:2534.5万枚/1283.9万枚/1250.6万枚
◆シングル上位TOP10
松田聖子
@ あなたに逢いたくて〜Missing You〜(110.1万枚/最高位1位/1996年)
A ガラスの林檎(85.9万枚/最高位1位/1983年)
B 風は秋色(79.7万枚/最高位1位/1980年)
C チェリーブラッサム(67.5万枚/最高位1位/1981年)
D Rock'n Rouage(67.5万枚/最高位1位/1984年)
E 青い珊瑚礁(60.3万枚/最高位2位/1980年)
F 夏の扉(56.9万枚/最高位1位/1981年)
G 瞳はダイアモンド(56.9万枚/最高位1位/1983年)
H 風立ちぬ(52.0万枚/最高位1位/1981年)
I 渚のバルコニー(51.5万枚/最高位1位/1982年)
中森明菜
@ セカンド・ラブ(76.6万枚/最高位1位/1982年)
A ミ・アモーレ(63.1万枚/最高位1位/1985年)
B 飾りじゃないのよ涙は(62.5万枚/最高位1位/1984年)
C 北ウイング(61.4万枚/最高位2位/1984年)
D 十戒<1984>(61.4万枚/最高位1位/1984年)
E 1/2の神話(57.3万枚/最高位1位/1983年)
F Dear Friend(54.8万枚/最高位1位/1990年)
G サザン・ウインド(54.4万枚/最高位1位/1984年)
H DESIRE〜情熱〜(51.6万枚/最高位1位/1986年)
I 禁区(51.1万枚/最高位1位/1983年)
◆シングル1位獲得数/TOP10獲得数
松田聖子:25作品/31作品
中森明菜:21作品/28作品
◆シングル首位通算週/1位獲得週
松田聖子:25作品通算50週/5週1位「風は秋色」
中森明菜:21作品通算40週/6週1位「セカンド・ラブ」「1/2の神話」
◆デビューシングル対決
売上枚数:松田聖子(28.7万枚)/中森明菜(17.4万枚)
初動売上:松田聖子(4,470枚)/中森明菜(4,180枚)
最高位:松田聖子(12位)/中森明菜(30位)
初登場:松田聖子(53位)/中森明菜(58位)
初登場から最高位までの週数:両者ともに12週目で到達
TOP100内:松田聖子(29週)/中森明菜(39週)
☆松田聖子「裸足の季節」
初登場は80.4/14で53位→38位→27位→19位→18位→13位→14位→14位→14位→12位と登場12週目して最高位を記録。
惜しくもTOP10入りまであと僅かであったが、新人アイドルのデビューシングルでは見事な結果だ。
☆中森明菜「スローモーション」
初登場58位→42位→35位→48位→42位→42位→36位→34位→37位→34位→33位→30位と登場12週目で最高位に到達。
◆デビューアルバム対決
売上枚数:松田聖子(54.7万枚)/中森明菜(45.3万枚)
初動売上:松田聖子(13,120枚)/中森明菜(15,440枚)
最高位:松田聖子(2位)/中森明菜(5位)
初登場:松田聖子(5位)/中森明菜(7位)
初登場から最高位までの週数:松田聖子(3週目)/中森明菜(13週目)
TOP100内:松田聖子(37週)/中森明菜(47週)
☆松田聖子「SQUALL」(1980年8月)
☆中森明菜「プロローグ<序幕>」(1982年7月)
◆アルバム上位TOP10
松田聖子
@ SUPREME(70.2万枚/最高位1位/1986年)
A ユートピア(65.3万枚/最高位1位/1983年)
B Canary(63.5万枚/最高位1位/1983年)
C 聖子・fragrance(59.4万枚/最高位3位/1981年)
D パイナップル(59.4万枚/最高位1位/1982年)
E Candy(54.9万枚/最高位1位/1982年)
F スコール(54.7万枚/最高位2位/1980年)
G Tinker Bell(52.3万枚/最高位1位/1984年)
H Windy Shadow(52.1万枚/最高位1位/1984年)
I The 9th Wave(51.5万枚/最高位1位/1985年)
中森明菜
@ Best U(80.9万枚/最高位1位/1988年)
A BEST(77.4万枚/最高位1位/1986年)
B バリエーション<変奏曲>(74.3万枚/最高位1位/1982年)
C BEST AKINA メモワール(71.0万枚/最高位1位/1983年)
D D404ME(65.1万枚/最高位1位/1985年)
E ポシビリティ(62.4万枚/最高位1位/1984年)
F ファンタジー<幻想曲>(61.6万枚/最高位1位/1983年)
G クリムソン(60.1万枚/最高位1位/1986年)
H BITTER AND SWEET(55.6万枚/最高位1位/1985年)
I NEW AKINA(48.2万枚/最高位1位/1983年)
◆アルバム1位獲得数/TOP10獲得数
松田聖子:18作品/45作品
中森明菜:19作品/34作品
◆アルバム首位通算週/1位獲得週
松田聖子:18作品通算40週/5週1位「パイナップル」
中森明菜:19作品通算48週/5週1位「メモワール」
◆初首位獲得までの時間
松田聖子:80.10/13/3rdシングル「風の秋色」・・・デビューから6か月で達成
中森明菜:82.11/8/2ndアルバム「バリエーション」・・・デビューから6か月で達成
◆1980年代に見る10年間のアーティスト売上金額/松田聖子/中森明菜
(売上単位:10万円/年間アーティストセールスTOP1000調べ)
1980年度 12位(21,472)/--位
1981年度 3位(48,940)/--位
1982年度 2位(56,000)/14位(19,070)
1983年度 2位(61,423)/1位(67,196)
1984年度 1位(78,294)/2位(56,925)
1985年度 2位(56,777)/1位(62,293)
1986年度 14位(21,154)/1位(48,916)
1987年度 8位(22,483)/1位(42,071)
1988年度 13位(23,810)/7位(30,132)
1989年度 309位(386)/7位(44,287)
松田聖子:390,739/中森明菜:370,890
年間売上金額部門で見るとその差は僅か19.8億円。デビュー年の2年を考慮すると中森明菜が大健闘ですね。
金額部門では83年、85年〜87年とV3を達成している。明菜のデビュー82年〜89年以降で比較すると松田聖子を50億円も上回る驚きの結果に。
松田聖子が85年に結婚を機に、以降リリース間隔が極端に減った事、80年代後半のセールス低迷による動きが数字に表れている気がします。
トータルセールス部門では松田聖子が中森明菜を凌ぎましたが、各種部門を見ているといい勝負をしてますね。
セールス枚数に差が出たのは90年以降が決定打ですね。
90年代は松田聖子が再び1位を獲得し、ミリオンセラーを達成、ほかドラマ主題歌などで90年代中期まではシングルの売れ行きが好調でした。
中森明菜は90年代にドラマなどで女優として活躍するもCDセールスはビッグヒット生まれなかった事が両者のセールスの分かれ道となったようです。
80年代を駆け抜けたスーパーアイドルの代名詞。
色んな角度から見るチャートではトータルでは見えない部分の凄さが見えた気がします。
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