ヒットチャートの「2位」というポジション。
凄い記録なのに今ひとつスポットが当たらない。
「惜しくも2位」「あと一歩」とどうしても1位と比較をされてしまいがちだ。
「3位」は「2位」よりも下なのに何故か「TOP3入り」などとスポットが当たりやすい。
そんな泣くに泣けない「2位」記録。
実はこれまでに2位記録は2013.2/11現在で922曲ある。
確かにあと一歩という惜しい作品は1位獲得曲よりも2位曲の方がセールスも上回っている作品も数多い。
歴代の中で最も1位と2位の差が僅差な週が1981.6/15である。その差は300枚!!!
前週より2週連続の松田聖子「夏の扉」に対し前週3位からランクアップしたシャネルズの「ハリケーン」。松田聖子に阻まれ、その翌週には近藤真彦「ブルージーンズメモリー」が初登場1位となり2週連続2位の苦節を味わい最高位2位に終わる。あと一歩の記録である。
では最も長い間2位に留まった記録はどうだろうか。
ちあきなおみの「喝采」で12週連続2位という記録がある。
実に3か月間、ずっと2位という凄まじい記録。累積セールスは80万枚超えるヒットに。
1972年11/20〜1973.2/5まで12週2位、では誰がこの「喝采」を止めたのだろうか。
そう、歴代シングルセールスでも2位である宮史郎とぴんからトリオの「女のみち」である。
1972.10/30〜1973.2/12まで16週連続1位という演歌ならではの息の長さでずっと「喝采」の首位を阻止し続けた。ともにその間の週間チャート1位、2位が12週連続で不動であったのも歴代記録最長である。
上記のように1位を獲るというのはタイミングであり、運である。
狙いさえ定めれば1位を獲れてしまう週はあるだろうし、今でこそ滅多にない連続1位の2週以降も作品によって大きく異なる。発売日さえぶつからず、1週ずらせば1位は獲得出来るだろう!そんな甘い考えが裏目に出た週もある。
それが2003.1/13のアルバムチャートである。
☆2003.1/13 ALBUM TOP5
@57.1万枚 浜崎あゆみ/RAINBOW
A36.0万枚 Kinki Kids/F album
B28.3万枚 KICK THE CAN KREW/Magic Number
C24.9万枚 B'z/The Ballads〜Love&B'z〜
D19.0万枚 Do As Infinity/TRUE SONG
Kinki Kidsのアルバム「F album」が初登場2位を記録した。
誰が1位を阻止したのか。それは先週から引き続き3週連続1位(前週101.2万枚)を記録した浜崎あゆみ「RAINBOW」であった。
誰もが想定外だったはずだ。不敗だったKinkiのアルバム首位連続記録をまさか3週目の浜崎あゆみに止められる事を・・・。決して低くない初動売上36.0万枚、これも確実だと判断した怠慢が生んだ結果であろう。
しかも新年一発目の2週合算週(集計期間2002.12/23〜2003.1/5)で、Kinkiのアルバム発売日が12/26であったため、3日間の遅れが前週からペースが落ちないままの浜崎あゆみのアルバムに敗れたのである。
これによりそれまで6作連続で1位を獲り続けてきた記録はここで止まる事となる。
そしてKinkiを破った浜崎あゆみのオリジナルアルバム連続首位を止めた週がこれだ。
☆2008.1/14 ALBUM TOP5
@45.5万枚 コブクロ/5296
A43.2万枚 浜崎あゆみ/GUILTY
B31.5万枚 EXILE/EXILE LOVE
C15.8万枚 BUMP OF CHICKEN/orbital period
D15.6万枚 ドリームズ・カム・トゥルー/AND I LOVE YOU
デビューアルバムから9作連続で1位を獲り続けた浜崎あゆみのオリジナルアルバムがまさかの初登場2位。
これも上記の週と同じく新春一発目の2週合算チャート(集計期間2007.12/24〜2007.1/6)、1/1発売だった浜崎あゆみは年末に店頭に並ぶも前週で初登場1位(39.1万枚)だったコブクロの勢いはそのまま連続で売れ続けあゆの1位を阻止したのである。
ここでオリジナルアルバム連続1位記録は更新を止める。
そしてビックリ仰天!
まさかのB'zアルバムが初登場2位!?
☆1997.5/5 ALBUM TOP5
@66.7万枚 ZARD/ZARD BLEND〜SUN&STONE〜
A47.9万枚 B'z/FLASH BACK〜B'z Early Special Titles〜
B15.0万枚 Every Little Thing/everlasting
C12.7万枚 THE YELLOW MONKEY/TRIAD YEARS actU
D11.0万枚 JUDY AND MARY/THE POWER SOURCE
ZARDの初ベストとB'zの初期ベストの直接対決。どちらもビッグネームだけにチャート対決は注目を浴びたが、内容面ではB'zの初ベストであるものの後に発表する「Preasure」や「Treasure」のようなヒットシングルではなく、マニアックなファン向けのベストだったため初登場2位という結果に終わった。
ブレイク後、最初で最後の初登場2位である。(オリジナル、ベストアルバム含む)
こちらも仰天、Mr.Childrenのオリジナル初登場2位!?
これも凄い強敵との同時発売。
浜崎あゆみVSミスチル。
☆2000.10/9 ALBUM TOP5
@168.3万枚 浜崎あゆみ/Duty
A 63.2万枚 Mr.Children/Q
B 6.3万枚 レディオヘッド/キッドA
C 6.1万枚 V.A./image(イマージュ)
D 5.6万枚 山崎まさよし/ONE KNIGHT STNDS
あゆの3rdアルバム、まさに女王健在の時期で向かうところ敵なし状態。さすがのミスチルも初動に103万枚の大差をつけられての初登場2位。63万枚の初動ならば翌週だったら1位を獲れたのに・・・。
とまぁ、最高位2位でも十分1位の作品に匹敵する勢いがあるということだ。
シングル編へ戻るが、最高位2位ながら最も売れた曲は何だろうか。
1978年2月発売の渥美二郎の「夢追い酒」。
そのセールスは驚きの182.0万枚。1979年チャートでは7週2位に留まるロングセラーとなった。
1位を獲らずともミリオンは獲れる。最高位2位ながら立派な記録である。
最後に1カ月(4週)以上2位に留まった曲を紹介しておきます。
◆惜しくも最高位2位に4週以上留まった名曲たち(シングル編)
※下記の日付は初めて2位に到達した日
1968.10/7 黛 ジュン/夕月(7週)
1969.3/3 キング・トーンズ/グッドナイト・ベイビー(4週)
1969.4/21 カルメン・マキ/時には母のない子のように(5週)
1969.8/11 奥村チヨ/恋の奴隷(6週)
1969.10/27 浅丘ルリ子/愛の化石(4週)
1969.12/29 ザ・ドリフターズ/ドリフのズンドコ節(7週)
1970.3/23 ザ・ショッキング・ブルー/ヴィーナス(5週)
1970.4/27 いしだあゆみ/あなたならどうする(4週)
1971.1/11 渚ゆう子/京都慕情(4週)
1971.5/24 鶴田浩二/傷だらけの人生(6週)
1971.7/26 堺正章/さらば恋人(4週)
1971.11/1 小柳ルミ子/お祭りの夜(4週)
1971.12/13 ポップ・トップス/マミー・ブルー(4週)
1972.11/20 ちあきなおみ「喝采」(12週)
1973.3/5 宮史郎とぴんからトリオ/女のねがい(5週)
1973.7/16 郷ひろみ/裸のビーナス(4週)
1974.3/25 フィンガー5/学園天国(6週)
1974.6/10 西城秀樹/激しい恋(4週)
1976.2/23 太田裕美/木綿のハンカチーフ(4週)
1976.4/19 山口百恵/愛に走って(4週)
1977.10/17 ジョー山中/人間の証明(6週)
1978.12/25 ゴダイゴ/ガンダーラ(6週)
1979.3/19 渥美二郎/夢追い酒(7週)
1979.6/4 サザンオールスターズ/いとしのエリー(5週)
1979.8/20 ゴダイゴ/銀河鉄道999(4週)
1979.12/17 ばんばひろふみ/Sachiko(5週)
1980.5/5 クリスタルキング/蜃気楼(5週)
1980.7/7 田原俊彦/哀愁でいと(5週)
1980.9/8 松田聖子/青い珊瑚礁(4週)
1980.12/15 都はるみ/大阪しぐれ(4週)
1981.8/17 松任谷由実/守ってあげたい(4週)
1981.9/14 田原俊彦/悲しみヤング(4週)
1982.3/1 シュガー/ウェディング・ベル(4週)
1982.8/16 田原俊彦/NINJIN娘(5週)
1982.6/13 中森明菜/トワイライト(4週)
1984.1/9 中森明菜/北ウイング(6週)
1984.5/28 薬師丸ひろ子/メイン・テーマ(4週)
1985.7/15 薬師丸ひろ子/あなたをもっと知りたくて(4週)
1992.4/6 BAKUFU-SLUMP/涙2(4週)
1992.8/31 小野正利/You're the Only...(4週)
1993.5/3 ZARD/君がいない(4週)
1998.2/23 Every Little Thing/Time goes by(4週)
2001.12/17 ストロベリー・フラワー/愛のうた(6週)
2004.5/10 平井 堅/瞳をとじて(4週)
2008.4/21 羞恥心/羞恥心(4週)
ちなみに最高位2位で年間1位を制した作品は過去に4つある。
2004年度 平井 堅/瞳をとじて
1987年度 瀬川瑛子/命くれない
1983年度 大川栄策/さざんかの宿
1979年度 渥美二郎/夢追い酒
素直に凄いの一言だ。1位を獲らずとも年間で1位を獲得するという快挙。
最高位2位でも素晴らしい曲はたくさんある。
「2位でもいいじゃないか」まさにそれを立証させたのがまさに上記の年間制覇だと私は思う。
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