ジャニーズグループ、その人気っぷりは凄まじいですね。
アイドル像の頂点となった「ジャニーズ事務所」。
その歴史は1962年6月創業から始まる。
喜多川擴(ジャニー喜多川)が渡米したとき劇場のステージマネージャーをしており、袖口から劇を見ていて感動したという。また、アメリカに滞在していた高校時代に、ロサンゼルスの「アーニー・パイル・シアター」でアルバイトをしており、様々なステージを観ている内に、エンターテインメントに感銘を受けたという説もある。
帰国後の1950年代初頭、知人が野球チームを作っていたために、これを真似て自らも野球チーム「ジャニーズ」を作った。近所の少年約30名を集め、東京・代々木にあった占領軍施設「ワシントンハイツ」にてコーチをしていた。メンバーには、浜田光夫、小畑やすし、設楽幸嗣らがおり、応援団には松島トモ子が居た。プロ球団や力道山などに支援され、練習場は後に池袋の立教大学グラウンドへ移行した。チーム名は、「オール・ヘターズ」、「オール・エラーズ」を経て、喜多川擴のアメリカ国籍でのニックネーム「ジャニー」から採った「ジャニーズ」に落ち着いた。この中の4名の少年でジャニーズを結成させ事務所の設立に繋がった。
1962年8月、真家ひろみ、飯野おさみ、中谷良、青井輝彦の4人で結成された「ジャニーズ」がグループデビュー第1号となっている。
オリコンチャートの始まりが1968年1月〜だというのもあり、正式に売上枚数が残されているのは68年以降のデータのため1967年で解散した「ジャニーズ」の売上枚数は不明である。
これまでジャニーズとヒットチャートがどのように歩んできたかを振り返ってみたい。
☆ジャニーズ所属タレント、グループによるデビュー曲のはじまり
1968.9 フォーリーブス/オリビアの調べ(9.3万枚/最高位15位)
1969.8 永田英二/あこがれ(10.8万枚/最高位23位)※ジャニーズソロデビュー第1号
1970.10 ジューク・ボックス/さよならの祈り(2.6万枚/最高位45位)
1970.12 ハイソサエティー/世界へジャンプ ハイソ・サンライズ・プレゼント(0.万枚/最高位89位)※アルバムデビュー
1971.5 内田喜郎/ミスター・ロビンソン(0.2万枚/最高位95位)
1972.8 郷 ひろみ/男の子女の子(27.8万枚/最高位8位)
1973.8 葵テルヨシ/かんじる10代(4.6万枚/最高位54位)
1975.2 JOHNNY'Sジュニア・スペシャル/ベルサイユのばら(8.0万枚/最高位12位)
1975.3 豊川誕/汚れなき悪戯(9.8万枚/最高位28位)
1975.7 リトル・ギャング/アイ・ラブ・ユー(1.3万枚/最高位71位)
1975.8 井上純一/恋人ならば(1.5万枚/最高位67位)
1975.9 殿ゆたか/ああ青春(0.8万枚/最高位84位)
1976.1 森谷泰章/とまどい(チャートインせず)
1976.2 クエッション/雨がふってきた(チャートインせず)
1976.11 未都由/こんな娘が好き(0.4万枚/最高位80位)
1977.7 川崎麻世/ラブ・ショック(2.9万枚/最高位64位)
1978.7 VIP/南十字星(チャートインせず)
1979.2 赤木さとし/愛よ君を撃て(チャートインせず)
1980.6 田原俊彦/哀愁でいと(71.9万枚/最高位2位)
1980.7 ANKH/イマジネーション(0.7万枚/最高位93位)
1980.12 近藤真彦/スニーカーぶる〜す(104.7万枚/初登場1位)※ジャニーズ初となるデビュー1位獲得
1981.5 ひかる一平/青空オンリー・ユー(6.1万枚/最高位19位)
1982.5 シブがき隊/NAI NAI 16(25.9万枚/最高位3位)
1983.3 イーグルス/走れ!ゴーインBOY(チャートインせず)
1983.9 THE Good-Bye/気まぐれONE WAY BOY(9.0万枚/最高位9位)
1985.12 少年隊/仮面舞踏会(47.8万枚/初登場1位)
1987.2 おめで隊/悲しきエクササイズ(3.1万枚/最高位29位)
1987.8 光GENJI/STAR LIGHT(48.9万枚/初登場1位)
1988.8 男闘呼組/DAYBREAK(69.8万枚/初登場1位)
1988.9 CHA-CHA/Beginning(10.9万枚/最高位5位)※メンバーの中村、木野がジャニーズ所属
1990.8 忍者/お祭り忍者(22.1万枚/初登場3位)
※忍者のデビュー曲はc/wが異なる2種で発売、それぞれが別カウントされた為、初登場3位と10位であった。
その2枚の合算売上枚数は週間8.2万枚であり、その週の1位は週間7.4万枚であった。発売形態を改めれば初登場1位を獲れたかも知れない惜しい記録である。
1991.9 SMAP/Can't Stop!!-Loving-(15.0万枚/初登場2位)
※残念ながら首位記録爆走中だったCHAGE & ASKAの「SAY YES」が1位(8週目、この後も継続し13週連続1位となる)だったため初登場1位を逃す。
1994.9 TOKIO/LOVE YOU ONLY(52.0万枚/初登場3位)
1995.11 V6/MUSIC FOR THE PEOPLE(52.8万枚/初登場3位)
1997.7 Kinki Kids/硝子の少年(178.6万枚/初登場1位)
1999.11 嵐/A・RA・SHI(97.3万枚/初登場1位)
2002.9 タッキー&翼/Hatachi(26.5万枚/初登場2位)※アルバムデビュー
※デビューシングル「卒業〜さよならは明日のために〜」は10.7万枚/初登場3位
2004.5 NEWS/希望〜Yell〜(39.5万枚/初登場1位)
※2003.11にセブンイレブン独占販売「NEWSニッポン」(2種)で発売されているが、流通経路が異なるためランキングではカウントされなかったが、2種それぞれ50万枚ずつを完売している。
2004.8 関ジャニ∞/浪花いろは節(17.6万枚/初登場5位/最高位1位)
2006.3 KAT-TUN/Real Face(104.6万枚/初登場1位)
2007.11 Hey! Say! JUMP/Ultra Music Power(36.0万枚/初登場1位
2011.11 Sexy Zone/Sexy Zone(26.4万枚/初登場1位)
2012.8 Kis-My-Ft2/Everyboy Go(45.1万枚/初登場1位)
起死回生を迎える1980年以前のジャニーズタレントのデビュー作を見ていると、成功した例がフォーリーブスと郷ひろみくらい。
1975年にはバーニング・プロへの移籍とデビューからスター街道を進んでいた郷ひろみの移籍問題はジャニーズに衝撃を与える。
以後70年代はジャニーズにとっては現代のような華々しさはなく、郷ひろみの穴を埋めることはできなかった辛い時期なのである。
1979年10月、テレビドラマ「3年B組金八先生」にジャニーズタレントから田原俊彦、近藤真彦、野村義男(たのきんトリオ)が出演を機にドラマでブレイク。
ドラマでブレイクしてデビューに繋げるというパターンはたのきんトリオが礎を築いたのだ。
創世記からシブがき隊までの間、現代のようにグループ形態は少なくソロでレコードデビューするのが主だったが、シブがき隊以降はソロではなくグループとしてのデビューが現代にも受け継がれている。
「初登場1位」を初めてジャニーズで記録したのは近藤真彦、同時に「初めてのミリオンセラー」も近藤真彦が達成している。
80年代での「デビュー初登場1位」は近藤真彦、少年隊、光GENJI、男闘呼組、90年代ではKinki Kids、嵐、00年以降ではNEWS、KAT-TUN、Hey! Say! JUMP、Kis-My-Ft2、Sexy Zoneが達成。
黄金期へ突入したジャニーズグループで唯一1位を獲得しないまま解散を迎えたのが忍者である。
上記にも綴ったが、発売形式さえ分散されなければ1位を獲れていたかも知れないという残念な結果である。
では「デビュー曲で初登場1位」を獲れなかったグループはいつ1位を獲ったのか?
田原俊彦「ハッとして!Good」・・・デビューから3か月後、2ndシングルにて達成
シブがき隊「喝!」・・・デビューから1年10か月後、9thシングルで達成
SMAP「Hey Hey おおきに毎度あり」・・・デビューから2年6か月後、12thシングルで達成
TOKIO「メッセージ」・・・デビューから6年8か月後、22thシングルで達成
V6「MADE IN JAPAN」・・・デビューから3か月後、2ndシングルで達成
タッキー&翼「夢物語」・・・デビューから9か月後、2ndシングルで達成
ジャニーズでデビュー曲から初めて1位を獲得するまでに最も時間を費やしたグループはTOKIOでしたね。
SMAPも遅咲きブレイクだが、お笑いとアイドルを融合させた初めての成功例としてデビューから22年経った今も現役で活躍中だ。TOKIO、V6も独自のスタイルを活かしSMAP同様に国民に愛されている。
アイドルもただそれまでのようにアイドルだけやっていてはたとえ売れても短命で終わってしまう。
それに気づいたのか、アイドル短命法則を覆したのもSMAPであり、「ジャニーズの落ちこぼれ」とまで言われたSMAPが今のジャニーズに与えた功績はとても大きいのである。
最後に以下がジャニーズによるグループ別のCD総合売上である。
(2012.12月現在 枚数単位:千枚)
田原俊彦・・・総合12,910(シングル10,257/アルバム2,653)
近藤真彦・・・総合12,774(シングル10,472/アルバム2,302)
シブがき隊・・・総合5,435(シングル3,968/アルバム1,467)
少年隊・・・総合5,493(シングル3,817/アルバム1,676)
光GENJI・・・総合12,184(シングル7,551/アルバム4,632)
男闘呼組・・・総合3,001(シングル2,084/アルバム917)
忍者・・・総合733(シングル556/アルバム177)
SMAP・・・総合33,542(シングル22,384/アルバム11,159)
TOKIO・・・総合8,284(シングル6,744/アルバム1,539)
V6・・・総合12,353(シングル9,041/アルバム3,312)
Kinki Kids・・・総合25,366(シングル17,420/アルバム7,946)
嵐・・・総合24,174(シングル17,303/アルバム6,871)
タッキー&翼・・・総合2,208(シングル1,512/アルバム695)
NEWS・・・総合4,947(シングル3,862/アルバム1,085)
関ジャニ∞・・・総合7,052(シングル5,250/アルバム1,802)
KAT-TUN・・・総合8,954(シングル7,007/アルバム1,947)
Hey! Say! JUMP・・・総合2,952(シングル2,608/アルバム343)
Kis-My-Ft2・・・総合1,972(シングル1,647/アルバム325)
Sexy Zone・・・総合612(シングル521/アルバム9)
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