1位も獲りたい、ミリオンセラーになりたい、武道館、ドームでコンサートをしたい、紅白に出たい、レコ大獲りたい・・・。
誰しも夢を抱いてデビューするものだと思います。
ミリオンセラーの形には複数あり、発売1週間で100万枚超えてしまう最速ミリオン型、長い年月をかけてようやく達成するロングセラーミリオン型。
この2つになりますね。
今回はそんな「最速ミリオン型」である発売1週間で100万枚の頂点に輝いた作品をピックアップしてみたいと思います。
初週ミリオンっていつから始まったの?
たぶんみんな疑問に感じます。
そう、70年代や80年代はそうそう100万枚など容易に達成出来る時代じゃありませんでしたからね。
ミリオンフィーバーが始まったのはデジタル時代に移行した90年代からなんです。
バブル経済だった1986年(昭和61年)12月から1991年(平成3年)2月までの51か月間、日本で起こった資産価格の上昇と好景気、およびそれに付随して起こった社会現象。
1991年2月以降は景気後退となり「バブル崩壊」という言葉も生まれた。
そんな不景気突入元年、なぜか音楽市場だけは生き残ったんですよね。
むしろ、それまでのアナログからデジタル時代へ移行するまでがCD市場の不景気であり、世間の不景気とCDの景気が皮肉にも逆転現象が起きてしまったという不思議な現象。
景気が悪化する度に音楽市場の景気は上昇傾向でそれまで数少なかったミリオンアーティストが数多く誕生していきます。
「この不景気にCDなんか売れるか」誰しも一度は思った事ありませんか?
そこには音楽市場とテレビとの強い繋がりが要因なんですね。
1980年代は確かに音楽番組も豊富で、毎日何かしらチャンネルをつければ歌番組でした。
アイドルがテレビで踊り、歌い、そして憧れてレコードを買いに行く。
「歌うステージがある」これは歌手にとって大きなチャンスだ。
どちらかというと当時のヒット曲はテレビの歌番組、ラジオから生まれるのが定番だった。
そもそも80年代後期より若者たちに人気のあったバンドや歌手たちは歌番組よりも「LIVE」を優先していた。それまで家で聴く「鑑賞」を「体感する音楽」に変えた事である。
チケットも即完売するような人気歌手やバンドは「ライブ=CD売上」にしっかり結びついていたのは確かだった。それは回を追うごとに立証できたからこそ、今でもライブはファンにとって特別なものであり、またアーティスト側にとってもかかせない大事なイベントなのである。
不景気でもなぜCDだけは潤ったか?
要因は2つあります。
1つ目はそれまでバブル景気時代は根詰まって働いていたOLたちが経済悪化により企業側も残業規制等が厳しくなり、帰宅時間が早まることによってテレビに触れ合う機会が増えたこと。
そう、これが「タイアップ現象」に繋がるわけである。
90年代に突入するとそれまで大量の音楽番組が次々と終焉を迎える。
歌番組の激減によって歌手たちはどこで曲を広めるべきか、そうテレビとのタイアップが活性したのである。
「タイアップ現象」こそドラマ主題歌やCMソングに起用することにより、テレビがドラマやコマーシャルとともに曲を宣伝してくれる。これほど有り難い宣伝はないでしょう。
トレンディドラマが大ヒットし、バブル崩壊の91年、「東京ラブストーリー」「101回目のプロポーズ」など「月9」のドラマが次々と高視聴率を記録し、同時に主題歌もメガヒット時代に突入したのである。これもタイアップ現象の一環で、ドラマと主題歌の抜群な融合こそ大ヒットに繋がるという成功を見せてくれたのが小田和正の「ラブストーリーは突然に」とCHAGE&AKAの「SAY YES」だろうと私は思う。
もう一つの要因は「カラオケブーム」である。
カラオケといえば今でこそ「カラオケボックス」を連想する人が殆どだろう。
70年代には酒場や社交場、宴会場を中心にサラリーマンが歌う娯楽に過ぎなかった。分厚い歌詞本を見ながら曲に合わせて歌う。後にテレビ画面に歌詞映像を表示して見ながら歌うように変化を遂げていくが、若者にはまだまだカラオケという概念は定着していなかった。
1992年には通信カラオケが登場し、カラオケボックスは個室を使って仲間同士で気軽に楽しめる若者の娯楽に変化していった。それまでカラオケ機器はLD式で演歌ばかりが多く、新曲配信などが遅れをとっていたのに比べ、通信カラオケはいち早く新曲を導入できるというシステムが若者に受け入れられたのが大きい。
それも「タイアップ現象」と繋がっており、テレビから流れる「今流行の曲」を仲間同士で披露するという事。「いち早く新曲をマスターしたい」そんな若者達の思いがCD購入へ繋がっていく。
私も当時はカラオケボックスによく行きましたよ。「ジョイサウンド」か「DAM」かってね。
やれどっちが新曲が多いとか、音が良いとか・・・。
やっぱりいち早く新曲を友人よりも歌いたい!っていう願望はありましたしね。繰り返し自宅で聴いていたことが懐かしく感じます。
そんな世間は不景気の中、音楽業界は上昇気流に乗ってミリオン時代は突入します。
いつか1週間で100万枚を超える歌手が現れるんだろうな〜と思っていた人たちには思いのほかその瞬間は早く訪れたでしょうね。
★1 WEEK MILLIONに見る記録(シングル編)
1996.2/19 初週120.8万枚 Mr.Children「名もなき詩」
1999.3/8 初週102.6万枚 速水けんたろう、茂森あゆみ 他「だんご3兄弟」
1999.11/22 初週106.8万枚 宇多田ヒカル「Addicted To You」
2011.6/6 初週133.4万枚 AKB48「Everyday、カチューシャ」
2011.9/5 初週135.4万枚 AKB48「フライングゲット」
2011.11/7 初週130.0万枚 AKB48「風は吹いている」
2011.12/19 初週119.9万枚 AKB48「上からマリコ」
2012.2/27 初週128.7万枚 AKB48「GIVE ME FIVE」
2012.6/4 初週161.7万枚 AKB48「真夏のSounds good!」
2012.9/10 初週118.2万枚 AKB48「ギンガムチェック」
2012.11/12 初週112.9万枚 AKB48「UZA」
2012.12/17 初週107.3万枚 AKB48「永遠プレッシャー」
シングル盤での初週100万枚超えは12作品です。
国内で初めて初週でシングルミリオンを達成したのは96年のMr.Children「名もなき詩」。
誰が何と言おうと文句のない記録ですよね。当時は月9ドラマ「ピュア」の主題歌でしたね。
あのラストに向けての早口の部分随分と練習しましたよ(笑)
そして「だんご3兄弟」は凄まじいブームでしたよね。だんご3兄弟のブームに伴い、それまで串に4つ刺していただんごを3つに変えるだんご屋も現れたほどの社会現象。一時は「たいやき超えなるか?」なんてマスコミも騒ぐほど。しかしあまりにもブームは短命で「たいやき」にはなれなかったんですよね。
アルバムが爆発的な記録をした99年、アルバム発売後、初となる新曲がいきなりの初週ミリオン。
TDKのCMソングでした。イントロから凄くカッコいい1曲。
歴史ある初週ミリオンの壁をいとも簡単に壊したのがAKB48。
ここまで来ると「凄い」の一言。CDはおまけ化してるけど、ここまでファンを夢中にさせてしまう大勢の協力が生んだ結果なんだなぁとしみじみ。良い曲なんだから特典なしで発売したら良いのにね〜。
★1 WEEK MILLIONに見る記録(アルバム編)
※下記の数字は1週間に売れた枚数です。
1991.12/2 101.3万枚 松任谷由実「DAWN PURPLE」
1991.12/9 104.3万枚 B'z「IN THE LIFE」
1992.7/6 100.3万枚 米米CLUB「Octave」
1992.11/9 119.0万枚 B'z「RUN」
1992.11/23 121.0万枚 ドリームズ・カム・トゥルー「The Swinging Star」
1993.12/13 114.0万枚 ドリームズ・カム・トゥルー「MAGIC」
1994.3/14 105.0万枚 B'z「The 7th Blues」
1995.4/10 117.0万枚 TRF「dAnce to positive」
1995.12/4 133.6万枚 B'z「LOOSE」
1995.12/18 102.5万枚 MY LITTLE LOVER「evergreen」
1995.12/25 102.9万枚 大黒摩季「BACK BEATs#1」
1996.4/15 119.5万枚 globe「globe」
1996.4/22 105.0万枚 globe「globe」(登場2週目)
1996.4/22 129.4万枚 ドリームズ・カム・トゥルー「DELICIOUS」
1996.6/17 131.3万枚 華原朋美「LOVE BRACE」
1996.7/8 153.6万枚 Mr.Children「深海」
1996.8/5 192.2万枚 安室奈美恵「SWEET 19 BLUES」
1997.3/17 173.5万枚 Mr.Children「BOLERO」
1997.3/24 164.9万枚 globe「FACES PLACES」
1997.10/23 200.3万枚 GLAY「REVIEW〜THE BEST OF GLAY〜」
1997.10/23 100.8万枚 ドリームズ・カム・トゥルー「BEST OF DREAMS COME TRUE」
1997.12/1 104.0万枚 B'z「SURVIVE」
1997.12/1 102.0万枚 河村隆一「Love」
1998.1/12 104.7万枚 華原朋美「storytelling」
1998.4/27 156.4万枚 Every Little Thing「Time to Destination」
1998.5/11 131.8万枚 SPEED「RISE」
1998.6/1 271.0万枚 B'z「B'z The Best "Pleasure"」
1998.7/6 100.4万枚 サザンオールスターズ「海のYeah!!」
1998.8/10 131.7万枚 GLAY「pure soul」
1998.9/28 250.0万枚 B'z「B'z The Best "Treasure"」
1998.10/5 100.3万枚 B'z「B'z The Best "Treasure"」(登場2週目)
1998.11/16 127.1万枚 松任谷由実「Neue Muzik(ノイエ・ムジーク)」
1998.11/30 104.7万枚 マライア・キャリー「The Ones」
1998.12/28 125.4万枚 SPEED「MOMENTS」
1999.2/15 111.0万枚 Mr.Children「DISCOVERY」
1999.3/22 202.7万枚 宇多田ヒカル「First Love」
1999.4/5 105.9万枚 鈴木あみ「SA」
1999.4/12 100.8万枚 Every Little Thing「Every Best Single+3」
1999.6/7 130.7万枚 ZARD「ZARD BEST The Single Collection〜軌跡〜」
1999.7/12 153.3万枚 ラルク・アン・シエル「ark」
1999.7/12 148.9万枚 ラルク・アン・シエル「ray」
1999.7/26 101.9万枚 B'z「Brotherhood」
1999.10/4 166.4万枚 globe「CRUISE RECORD 1995-2000」
1999.11/1 156.9万枚 GLAY「HEAVY GAUGE」
1999.11/22 120.2万枚 浜崎あゆみ「LOVEppears」
2000.1/17 135.0万枚 MISIA「LOVE IS MESSAGE」
2000.3/6 110.1万枚 B'z「B'z The "Mixture"」
2000.7/10 221.9万枚 倉木麻衣「delicious way」
2000.10/9 168.3万枚 浜崎あゆみ「Duty」
2000.12/4 136.9万枚 サザンオールスターズ「バラッド3〜the album of LOVE〜」
2000.12/11 172.7万枚 GLAY「DRIVE〜GLAY complete BEST〜」
2001.2/12 121.9万枚 モーニング娘。「ベスト!モーニング娘。1」
2001.4/2 100.5万枚 SMAP「Smap Vest」
2001.4/9 300.3万枚 宇多田ヒカル「Distance」
2001.4/9 287.5万枚 浜崎あゆみ「A BEST」
2001.7/23 120.2万枚 Mr.Children「Mr.Children 1992-1995」
2001.7/23 100.4万枚 Mr.Children「Mr.Children 1996-2000」
2001.11/19 114.3万枚 CHEMISTRY「The Way We Are」
2002.1/14 175.1万枚 浜崎あゆみ「I am」
2002.7/1 235.0万枚 宇多田ヒカル「DEEP RIVER」
2002.12/23 105.0万枚 B'z「The Ballads〜Love & B'z〜」
2002.12/30 101.6万枚 浜崎あゆみ「RAINBOW」
2003.1/20 107.6万枚 CHEMISTRY「Second to None」
2004.4/12 140.3万枚 宇多田ヒカル「UTADA HIKARU SINGLE COLLECTIN VOL.1」
アルバムによる初週ミリオンがこんなにもあったなんて抜粋しながら驚いてしまった。
もはやミリオンの叩き売りだ!!大フィーバーにもほどがある。
初週ミリオン超えの始まりはユーミンでしたね。さすが女王!
アルバムで見ると改めて宇多田ヒカルとB'zはやっぱ別格だわ。
バンドブームの背景にGLAYとラルクの当時の凄さも再認識。ラルクなんて2枚同時でベストじゃなくてオリジナルアルバムなのに1位153.3万枚、2位148.9万枚とミリオンでしょ。これ合算したら1週間で302.2万枚!!
宇多田ヒカル「Distance」の300.3万枚超えちゃてるし(驚)
デビューアルバムが初週いきなりのミリオンってのも凄い快挙だ。
MY LITTLE LOVER、globe、華原朋美、鈴木あみ、宇多田ヒカル、倉木麻衣、CHEMISTRY。
なかなかデビューアルバムがこんな記録作るなんてないよね〜
そこに安室奈美恵、TRFを加えると小室ファミリーの大躍進が一目でわかる。
青春時代過ごした作品たちにありがとうと御礼を言いたい。
ミリオンセラー万歳!!!!!
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