2013年02月07日

限界突破!?週間ハイレベルチャート上位合戦(アルバムチャート編)・・・nammyblog vol.5

アルバムの低レベル特集は前回特集しましたが、輝かしい黄金期にはかつてないハイレベルな週がありました。
「こんだけ売っても1位獲れないのかよ?」
正直どこまでアルバムの売上が上がっていくのか胸を躍らせたものです。
そんな1990年代中期から2000年にかけてシングル市場とは裏腹にアルバムチャートの黄金期はシングルに少し遅れをとってスタートします。
今回はアルバムチャート編を基に考察をしていきたいと思います。
思えばアルバムはCDが誕生した1982年以降、LP時代だった中でなかなかアナログ派からデジタルへ移行するには時間を要しました。
まだ当時はCDプレイヤー自体が高価なもので簡単に買えるようなものではなく、発売タイトルもLPに比べて少なかったし、何しろ現代のようにCDが大量生産されていない時代なので価格も高かった。
どちらかというとクラシック系統のCDの売れ行きが良かったのに驚いた。
レコードよりもより良い音質で楽しみたいというコアなファンが当時もいたんでしょうね。
なかなか新しいものを出始めに買うのは抵抗感があります。
考えてみたらDVDも出始めは高かったし、「まだビデオで十分」なんて思ってましたしね。
手軽な低下に落ち着く頃には私も手にしてましたし。
人間ってそういうもんなんですね。

CD発売から4年が経過した1986年(昭和61年)にレコードの生産低迷に伴いユーザーがCDに移行し始めた頃には当時よりは購入しやすい価格まで落ち着きようやくCDがレコードに肩を並べるほどにまでなったんですね。
レコード時代の終焉を迎える1988年(昭和63年)には遂にCDはレコードの生産枚数を追い抜きデジタル時代へ突入した。
1988年・・・レコード生産 39,464千枚/CD生産 115,537千枚 その差は76,073千枚!!!
何といおうとレコード終焉を迎えざるを得ない逆転劇でした。
それまではアルバムタイトルがCD化されており、シングル盤はEP(レコード)であったため、生産枚数もなかなかレコードを超えることが出来なかったが、88年に8cmシングルCDが登場したためコンパクトで音質の高いシングルCDに切り替えが行われたんですね。生産枚数を見ても88年〜90年に発売されたEP盤は比較的希少価値が付いているようです。
そんな8cmシングルも2000年にはマキシシングル(12cm)に切り替えが行われ衰退していってしまうんですが・・・。
僅か12年という短命な8cmですが、それでもシングル黄金期を駆け抜けたマストアイテムであり、世に広めた貢献度は極めて高いと私は思っています。

レコード協会によるアルバムの生産枚数は下記のようになっています。

★平成時代に見るアルバム生産枚数推移(レコード協会より)
(単位:千枚)

1989年 143,424/前年比159.3%
1990年 169,129/前年比117.9%
1991年 210,497/前年比124.4%
1992年 222,671/前年比105.7%
1993年 227,756/前年比102.3%
1994年 241,699/前年比106.1%
1995年 275,369/前年比113.9%
1996年 282,556/前年比102.6%
1997年 289,313/前年比102.3%
1998年 302,913/前年比104.7%
1999年 337,424/前年比111.3%
2000年 276,327/前年比81.8%
2001年 259,233/前年比93.8%
2002年 245,919/前年比94.8%
2003年 227,129/前年比92.3%
2004年 220,420/前年比97.0%
2005年 237,116/前年比107.5%
2006年 222,698/前年比93.9%
2007年 198,646/前年比89.1%
2008年 188,724/前年比95.0%
2009年 165,162/前年比87.5%
2010年 155,929/前年比94.4%
2011年 134,164/前年比86.0%
2012年 150,311/前年比112.0%

 
アルバム生産のピークは1999年(平成11年)の337,424千枚。
この結果は宇多田ヒカルの「First Love」が大きなシェアを占めているのがよくわかります。
平成元年は143,424千枚、たった10年で2.4倍もCDの生産率が変わってしまうものなんですね。
それだけ多くのユーザーがアルバム購入をしていたという結果なんですが。
平成元年(89年)のアルバムミリオンは1作品に比べて平成11年(99年)22作品・・・
比べようもないですね。
では平成21年(09年)はどうだろうか。ミリオンは3作品と平成元年と数字にそう大差はありませんね。
89年に始まったアルバムミリオン超えは99年まで上昇を辿り、一時期は下降するものの実質01年以降衰退傾向となる。

★平成時代に見るアルバムミリオンセラー数(オリコン年間より)

1989年 1作品
1990年 2作品
1991年 6作品
1992年 14作品
1993年 8作品
1994年 8作品
1995年 14作品
1996年 21作品
1997年 21作品
1998年 25作品
1999年 22作品
2000年 15作品
2001年 22作品
2002年 7作品
2003年 7作品
2004年 6作品
2005年 10作品
2006年 6作品
2007年 2作品
2008年 4作品
2009年 3作品
2010年 1作品
2011年 0作品
2012年 3作品


ご覧のとおり2001年から2002年にかけてミリオン激減してますね〜
シングルも同様現象なので背景にあるのはやはりデジタルオーディオの普及が考えられますね。

だいぶ脱線しましたがさて表題に入りましょう。
アルバムの高得点により首位を逃した週。
アーティストにとってはやはり2位より1位の方が断然良いに決まってますよね。
1位を狙って発売をしても予期せぬ敗退もあります。
こればかりは蓋を開けてみないとわからないものです。
あまり天狗になって発売しても「初登場2位」なんて1位街道まっしぐらの記録を止めてしまう事も普通にありますからね。レコード会社も慎重に発売日を選んでいるんでしょうが、予期せぬ事が起こるからこそヒットチャートの醍醐味なのです。

では週間売上50万枚以上売っても1位を獲れなかったハイレベルな週を取り上げてみましょう。
これまでに29戦ありました。
全て見せます!!!
※同一アーティストによる複数同時発売(ベスト複数枚リリース)は除く。
※★マークは初登場ではなく2週目以降売上

★50万枚以上のハイレベル週に見るヒットチャート(アルバム編)

2005.10/3 
1位 68.6万枚 Mr.Children「I LLOVE U」
2位 55.9万枚 倖田來未「Best〜first things〜」

2001.7/16
1位 80.0万枚 倉木麻衣「Perfect Crime」
2位 57.8万枚 平井 堅「gaining through losing」

2001.5/7
1位 88.1万枚 MISIA「MARVELOUS」
2位 50.4万枚 福山雅治「f」

2001.4/16
1位 51.0万枚 浜崎あゆみ「A BEST」★
2位 50.4万枚 宇多田ヒカル「Distance」★

2001.4/9
1位 300.3万枚 宇多田ヒカル「Distance」
2位 287.5万枚 浜崎あゆみ「A BEST」

2001.3/26
1位 80.2万枚 ラルク・アン・シエル「Clicked Singles Best 13」
2位 51.9万枚 Dragon Ash「LILY OF DA VALLEY」

2001.3/12
1位 68.8万枚 DA PUMP「Da Best of Da Pump」
2位 61.9万枚 ポルノグラフィティ「foo?」

2000.10/9
1位 168.3万枚 浜崎あゆみ「Duty」
2位 63.2万枚 Mr.Children「Q」

2000.4/10
1位 90.4万枚 椎名林檎「勝訴ストリップ」
2位 57.8万枚 モーニング娘。「3rd-LOVEパラダイス」

2000.2/21
1位 82.5万枚 鈴木あみ「infinity eighteen vo.1」
2位 60.7万枚 ドリームズ・カム・トゥルー「DREAMS COME TRUE GREATEST HITS "THE SOUL"」

2000.1/17
1位 135.0万枚 MISIA「LOVE IS THE MESSAGE」
2位 56.4万枚 大黒摩季「大黒摩季ベストオブベスト〜All Singles Collection」★

1999.4/12
1位 100.8万枚 Every Little Thing「Every Best Single+3」
2位 61.4万枚 宇多田ヒカル「First Love」★

1999.4/5
1位 105.9万枚 鈴木あみ「SA」
2位 76.1万枚 宇多田ヒカル「First Love」★

1999.1/11
1位 54.8万枚 浜崎あゆみ「A Song for xx」
2位 53.7万枚 SPEED「MOMENTS」★

1998.11/30
1位 104.7万枚 マライア・キャリー「The Ones」
2位 68.7万枚 hide with Spread Beaver「Ja Zoo」

1998.11/23
1位 83.0万枚 松任谷由実「Neue Muzik(ノイエ・ムジーク)」
2位 60.8万枚 広瀬香美「THE BEST "Love Winters"」

1998.9/28
1位 250.0万枚 B'z「B'z The Best "Treasure"」
2位 61.2万枚 the brilliant green「the brilliant green」

1998.7/6
1位 100.4万枚 サザンオールスターズ「海のYeah!!」
2位 67.9万枚 JUDY AND MARY「POP LIFE」

1998.3/9
1位 71.1万枚 ラルク・アン・シエル「HEART」
2位 51.2万枚 BOOWY「THIS BOOWY」

1998.1/12
1位 104.7万枚 華原朋美「storytelling」
2位 70.8万枚 MAX「MAXIMUM U」

1997.12/1
1位 104.0万枚 B'z「SURVIVE」
2位 102.1万枚 河村隆一「Love」

1997.10/13
1位 200.3万枚 GLAY「REVIEW〜THE BEST OF GLAY〜」
2位 100.8万枚 ドリームズ・カム・トゥルー「BEST OF DREAMS COME TRUE」

1996.8/5
1位 192.2万枚 安室奈美恵「SWEET 19 BLUES」
2位 62.2万枚 サザンオールスターズ「Young Love」★

1996.7/8
1位 153.6万枚 Mr.Children「深海」
2位 50.6万枚 シャ乱Q「シングルベスト10 おまけつき」

1996.4/15
1位 129.4万枚 ドリームズ・カム・トゥルー「LOVE UNLIMITED∞」
2位 105.0万枚 globe「globe」★

1995.7/31
1位 56.5万枚 大黒摩季「LA LA LA」
2位 53.8万枚 氷室京介「SINGLES」

1995.4/10
1位 117.0万枚 trf「dAnce to positive」
2位 55.7万枚 ドリームズ・カム・トゥルー「DELICIOUS」★

1995.4/3
1位 86.9万枚 ドリームズ・カム・トゥルー「DELICIOUS」
2位 50.5万枚 森高千里「DO THE BEST」

1994.8/8
1位 75.4万枚 竹内まりや「Impressions」
2位 52.0万枚 trf「BILIONAIRE」


冷静に考えて見てください。
1週間で50万枚以上ですよ!
ハーフミリオンなわけですよ。
それだけ売っても1位獲れないってどーゆー事?
そりゃそうです。1万枚台でも1位を獲れちゃう週もあるっていうのに、よりにもよって発売日が重なったために2位って悔しくないですか?
さすがに首位合戦だけあって50万以上のハイレベルは1位と2位の争いに終わっていますが、1位〜3位まで50万枚以上なんてあったら気が遠のきますよね。
(シングルチャートでは1998.7/20に1位から4位まで50万枚以上ってのがありましたけどね)

前述にも記載のとおり運次第なんです。
その週は敗退しても翌週以降に2位で初登場した作品が巻き返し1位ってのもありますからね。
ただ大抵の作品はそのまま下降か横ばいに終わることが多いですが・・・。

で歴史ある中で過去に4戦だけ1位と2位がミリオンを越えました。
ウソーン〜〜〜〜〜!!!!!
って思うかもしれませんが、1週間で100万枚売って2位って・・・。
もう泣きたくなると思います。

上記の記載の通り、始まりは1996.4/15のドリカム「DELICIOUS」 VS globe「globe」戦。
どちらもオリジナルアルバムでの直接対決。何が凄いって発売日が一緒じゃないんですよ。
globeは発売2週目、その前週には初登場で119.6万枚売ってます。
つまり2週連続で100万枚以上売ってるわけです。これは宇多田ヒカルでも成せなかった2週連続ミリオン記録!
おそるべしTK・・・。

さて2戦目は1997.10/13のGLAY「REVIEW」VS ドリカム「BEST OF DREAMS COME TRUE」戦。
ベストアルバム同士の対決ですね。
ドリカムにとって初めてのベスト盤、1週間で100.8万枚売ったのにGLAYの200.3万枚の半分で2位!!
当時のGLAYの勢いさを感じます。

3戦目は1997.12/1のB'z「SURVIVE」VS 河村隆一「Love」戦。
オリジナルアルバム同士の同時発売、B'zにとっては余裕で勝てる相手だと甘く見ていた反面、まさかソロアルバムで初週ミリオンには驚きました。さすがLUNA SEAのボーカルです。

4戦目は12年前になるんですね。一番新しいミリオン対決。
宇多田ヒカル「Distance」VS 浜崎あゆみ「A BEST」戦。
これはもう、これまでのミリオン対決とか話にならないくらいのハイレベル対決。
歴史上まずこの先絶対にありえない数字対決であります。
宇多田300.3万枚、浜崎287.5万枚!!!!!
たった2枚のアルバムが1週間で587万枚売れちゃうんですよ。
そりゃ東芝にせよ、avexにせよ、レコード会社も大喜びな記録ですよね。
下手したら所属アーティストの何人分の売上枚数がこの2人に値するか。
これほどまでにCDって売れるんだ!というのを学びました。
宇多田ヒカルも「First Love」のメガヒットに続く待望の2ndアルバムだったし、あゆは初となるベストアルバムだし、どっちも譲れない対決だったね。
翌週には浜崎あゆみが巻き返し1位を獲るけど。翌週も両者50万枚超えの対決だったしね。
まさにCDバブル期最高のバトルでした。

この先こんな対決見ることは2度と無いんだろうなぁ・・・。
posted by nammy at 18:52| Comment(0) | ヒットチャート編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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